「空き家の固定資産税が6倍になる!?」
2023年6月に「空家等対策の推進に関する特別措置法」の一部を改正する法律案が公付され、そんな話を聞いた人もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、全ての空き家が固定資産税6倍になるわけではなく「特定空き家等」に指定され勧告改善を行わない場合に限ります。
では、具体的に固定資産税6倍が始まるのはいつからでしょうか?
また、合わせて固定資産税が6倍を防ぐ方法についてもお伝えしていきましょう。
目次
いつから空き家の固定資産税が6倍になるのか?
「空家等対策の推進に関する特別措置法」の改正法の施行日は、令和5年12月13日です。
しかし、令和5年12月13日から固定資産税6倍になるわけではありません。
特定空き家等に指定され、勧告を受けて翌年1月1日までに改善措置を行わないと固定資産税が最大6倍になります。
ちょっとPR
管理不全空き家でも固定資産税6倍!?
空家等対策の推進に関する特別措置法の一部改正で新しく「管理不全空き家」が出来ました。
管理不全空き家とは「放置すれば特定空き家になる空き家」を指します。
空家等対策の推進に関する特別措置法は平成27年施行で、当時は特定空き家になると「固定資産税6倍!行政代執行で強制解体!」と言われていましたが、実際のところは特定空き家の認定自体がなかなか進みませんでした。
しかし、改正後は管理不全空き家でも勧告を受け是正されないと最大で固定資産税6倍となります。
管理不全空き家は、特定空き家と違い「行政代執行」はされません。
なぜ空き家の固定資産税が6倍になるのか?
今までは居住用の建物のある土地は居住している・していないに関わらず、固定資産税の負担が軽減される措置(住宅用地の特例)がありました。
- 小規模住宅用地(200㎡以下の部分)…固定資産税評価額が1/6(都市計画税1/3)
- 一般住宅用地(200㎡超の部分)…固定資産税評価額が1/3(都市計画税2/3)
しかし、昨今の空き家問題のこともあり、今後は特定空き家・管理不全空き家に指定され「勧告を受け手も適切な処置が行われない」と住宅用地の特例の適用が解除されることになります。
固定資産税評価額1,000万円の土地で住宅用地の特例が受けられないとどうなる?
仮に固定資産税評価額が1,000万円の土地(200㎡以下)で住宅用地の特例の適用が解除されると
- 1,000万円×1/6×1.4%=23,300円(100円未満切り捨て)
- 1,000万円×1.4%=140,000円
になります。
空き家の固定資産税を6倍にしないために出来ること!?
空き家の固定資産税を6倍にしないために出来ることは、次の通りです。
- 特定空き家等に指定されないように管理する
- 指導・勧告を受けたら改善する
- 空き家を手放す
特定空き家等に指定されないように管理する
空き家が特定空き家等に指定される「管理不全な状態」は、危険性・防犯防災・生活環境の視点から判断されます。
- 危険性では、老朽化および自然現象による倒壊・剥落・飛散の恐れ
- 防犯防災では、窓が割れている等、不特定者の侵入による犯罪・火災の恐れがある
- 生活環境では、ごみの不法投棄・動物の侵入・雑草の繁茂・樹枝の越境など
空き家がこのような状態にならないように定期的に清掃や管理を行えば、そもそも特定空き家等に指定されることがないため固定資産税が上がることがありません。
助言・指導を受けたら改善する
特定空き家等になると、まずは「助言・指導」を受けます。
助言・指導を受けても改善が見られないと「勧告」を受けてしまいますので、その前段階で改善しておけば住宅用地の特例が解除されることはありません。
ちなみに平成30年の調査報告では、管理不全の空き家約50万戸のうち、市区町村の指導により除去や修繕が行われたのは14万戸でした。
空き家を手放す
「遠方に住んでいて管理も難しい」「指導を受けて改善する費用がない」なら、空き家を手放すというのも手です。
もちろん売却して売れるに越したことはありませんが、場合によっては「寄付・贈与」なども検討することもあると思います。
どちらにしても不動産は買い手(借り手)が見つかるのに時間はかかります。
空き家対策は早めに行動して損はないと思います。
おわりに
今回は「空き家が固定資産税6倍になる時期等」についてお伝えして来ました
最近は空き家問題に関するニュースなども見ますので、実家が空き家になっている人からの相談も増えてきています。
とくに空き家を相続する可能性のある人は「相続前」に色々と考えておくことをお勧めします。
空き家に関する状況は今後一層厳しくなると思われます。
先立って対策を空き家所有で損することが無いようにしていきましょう。
最後までご覧頂きありがとうございました!