自治体が運営する「空き家バンク」。
名前は聞いたことがあっても実際に利用されたことのある人は少ないと思います。
その中で空き家バンクを利用して「失敗した!」と後悔しないために出来ることは何なのか?
今回は空き家バンクを利用する際の注意点についてお伝えします。
目次
補助金は契約前に申請しないと適用されない!
空き家バンクを運営している自治体の多くで「補助金(助成金)」が利用できます。
内容は各自治体によって異なりますが、
- 空き家バンク物件の購入費
- 空き家のリフォーム費用
- 他都道府県からの移住
などで補助(助成)されます。
但し、注意点として物件を購入した後に申請しても補助(助成)は受けられません。
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内覧や商談は「利用申込書」を提出した順!
空き家バンクで気になる空き家を見つけたら、
- 利用申請書
- 空き家登録者に直接連絡
のどちらからで連絡を取ります。
多くは利用申請書を自治体に申請して、自治体から空き家の所有者(もしくは仲介業者)に連絡します。
通常の不動産取引であれば内覧の順番は「早く内覧に来た人」が優先されますが、空き家バンクの場合は「利用申請書の提出順」に内覧と商談が出来るケースが多いです。
「内覧しなくて良いから買いたい!」と言っても先に利用申請書を出されている人がいれば、その人が商談を優先されます。
空き家バンクの値下げ交渉は出来る!?
空き家バンクに登録されている物件ですが、値下げ交渉は可能です。
但し、値下げの交渉には注意が必要です。
仲介業者が窓口であれば上手く調整してくれますが、空き家バンクの場合は所有者と直接交渉のケースもあります。
自動車のように「お客様は神様です」と言わんばかりの強気な値下げ交渉は不動産では逆効果です。
所有者に売りたくない(貸したくない)と言われれば、どんなに気に入った物件でも手に入れることは出来ません。
リフォーム費用はしっかりと計算する!
空き家バンクに登録されている物件の多く(とくに価格の安いもの)は改修が必要です。
購入価格が安いからと飛びついたものの、いざ生活してみるとリフォーム費用が想像以上に掛かったということは少なくありません。
とくに費用を見誤るのは「DIYで改修しよう」と考えている場合です。
コストを下げるためにDIYするのは良いのですが、先述したように各自治体で空き家リフォームに関する補助(助成)が用意されていることがあります。
不動産契約は直接取引の方が得なのか?
空き家バンクでは、登録物件の契約から引き渡しまでの打ち合わせに自治体が入ることはありません。
- 空き家所有者
- 仲介業者
のどちらかと話を進めていくことになります。
利用される空き家バンクで決められています。
仲介業者が入ると手数料を支払わないといけないので空き家所有者との直接取引を希望される人もみえます、トラブルが多いので出来れば専門家に入って貰うことをお勧めします。
仲介業者が入らない場合は、
- 家具・家財などの撤去費用はどちらの負担か?
- リフォームや改修は可能か?(法的要件含む)
- 農地があれば所有権移転出来るのか?
など、全て当事者間で調査しなければいけません。
先々起こるかもしれない問題を想定して、事前に取り決めをすることで未然にトラブルを防ぐことが契約書作成の目的です。
この点を軽く考えている人は多いのですが、先々の問題を想定することは不動産取引の経験が無いと難しいと思います。
そのため結果として気付かずに損な契約をしてしまう可能性も出て来ます。
空き家バンクの登録物件の価格は適正相場なのか?
空き家バンクに登録されている物件は、仲介業者や不動産鑑定士などの専門家の査定を受けていない可能性があります。
そのため価格は適正かと言われると調査しないと分からないという話になってしまいます。
簡単な調査方法としては、
- 近隣に同じような物件があれば参考に見てみる
- 所有者に評価証明書を請求する(固定資産税計算の元になる評価額を参考にする)
などがあります。
地域によって固定資産税の評価額と市場相場が変わらない所もありますし、市街地だと評価額よりも相場が高いこともあります。
希望する物件が市街地から離れているのであれば、評価額と同等もしくは下回っている場合も考えられます。
転売や投資目的での購入は出来ない!?
先ほど空き家バンクの価格についてお伝えしましたが、各自治体のサイトを見ていると「これはお値打ちだな」と思える物件をよく目にします。
そんなお値打ち物件を見つけると転売や投資目的で購入したいと考える人もみえると思いますが、多くの場合は転売や投資目的での空き家バンク利用はNGです。
というのも、自治体が空き家バンクを行うのは「そこに住んで欲しい」からです。
空き家問題の解決という目的もありますが、なによりも住んで貰えれば税収に繋がります。
そのため空き家バンクは転売や投資目的での利用は出来ないことが多いです。
おわりに
今回は空き家バンクの利用で失敗しないための注意点をお伝えして来ました。
空き家バンクの利用方法は各自治体によって微妙に異なるので、こちらの記事に記載したことなどに注意しながら「事前に空き家バンクの運営元に確認する」ようにして下さい。
とくに補助金申請で失敗すると後で取り返しがつきません。
こちらは必ず事前チェックするようにしましょう。
あとは契約やリフォームに関して専門家に話を聞くことも後悔しないためのポイントです。
そういった点に気を付ければ空き家バンクでお値打ちに物件を手に入れることは出来ますよ。