コラム

空き家差し上げます!なぜ無料で不動産をあげる人が増えているの?

「空き家を差し上げます!」

テレビでも特集されることがありますが「無料で家や土地が手に入るなんて本当だろうか?」と疑問に感じる方もみえると思いますが、じつは無料でも良いから空き家を手放したい人は意外と多いです。

例えば、国土交通省が実施した「令和元年度空き家所有者実態調査」では、空き家を寄付もしくは贈与したい方は調査総数の1.3%でした。

参照 令和元年度空き家所有者実態調査

この1.3%を長期間しようされていない空き家の数(349万戸)で考えると、約4.5万戸となりますから結構多いですよね。

つなぐ
ちなみに先の調査では多少の費用を支払ってでも贈与したい方が約4割もみえました。

では、なぜこんなにも空き家を無料で手放す人が増えているのでしょうか?

空き家を相続したけど持て余している!?

実際に不動産業界の現場で働いていても「空き家を売りたい」と相談にみえる方のほとんどは相続のタイミングです。

先ほどの空き家所有者実態調査でも、空き家の取得経緯の約55%が相続となります。

その他は、中古住宅として購入したり新しく家を建てるためという目的がありますが、相続に関しては実需のない中での取得となります。

ですから、多くの方が相続で空き家を取得しても持て余しているというわけです。

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相続してみたらマイナス不動産だった!?

人生の中で不動産取引を頻繁に行なう方は少ないと思います。

そういった方にとって不動産が売れないとは考えもしないことかもしれません。

そのため軽い気持ちで空き家を相続した結果、

  1. 買い手(借り手)が見つからない
  2. 売却(賃貸)するには「解体費(リフォーム費)」が必要と言われる
  3. 放置しておくだけもで「固定資産税」が掛かる
  4. 建物の傷み・草刈りをしないと近隣からクレームが入る

というような相続した空き家が悩みの種になるという話もよく聞きます。

あきこ
そのため人によっては贈与しても悩みの種が手から離れるのでありがたいと感じるわけですね。

 

0円物件は本当に無料で手に入るのか?

「贈与してでも空き家を手放したい人がいるのは分かったけど、本当に0円で空き家が手に入るのか?」

実際のところ1円も払わずに空き家が自分のものになるわけではありません。

贈与される側は、税金や登記費用の負担はあります。

 

不動産の贈与に掛かる費用について

物件の価格自体が0円でも、不動産の贈与には税金が掛かります。

  • 贈与税
  • 固定資産税
  • 登録免許税
  • 不動産取得税

贈与税・固定資産税・不動産取得税は譲り受ける不動産によっては課税されないこともありますが、登録免許税に関しては課税されます。

あきお
また、贈与登記や贈与証書作成を司法書士に依頼する場合も報酬は発生します。

 

空き家の状態によっては修繕費が必要!?

これは言うまでも無いかもしれませんが、ほとんどの0円物件は修繕なしで住むのは難しい状態です。

そのためリフォーム費用は必要になるでしょう。

ただ、自治体によっては空き家改修に対する補助金がある所もあります。

空き家に関する補助金などを調べるには「地方公共団体による空き家対策支援制度」検索サイトが便利です。

参照 「地方公共団体による空き家対策支援制度」検索サイト

 

これから空き家の贈与は増えていくのか?

今後「空き家差し上げます」というような贈与物件は、空き家戸数の増加と比例して増えていくと思います。

現在、日本の住宅戸数は世帯数を上回っている状態です。

1950年代からの高度経済成長期は、戦争の復興需要から国の政策として住宅を建てることが後押しされてきました。

住宅を建てるということは経済波及効果も高く「質より量が優先された」時代です。

つなぐ
その当時に建てられた団地やニュータウンが今は老朽化し、さらに人口減少が追い打ちをかけて住宅過多となっているのが今の空き家問題の背景です。

 

それでも新築住宅は建てられている!?

こういった空き家問題が取り沙汰されている今も、駅前でマンションの開発や新築戸建てが建てられています。

もちろん家を買うなら新しい方が良いという人もいますから、新築が悪いとは言いません。

ただ、現在は高度経済成長期以降はじめて「家余り」になっており、これから家余りの状況をどうしていくのかという転換点に立っているのだと思います。

そういった中で今後おそらく空き家は増え続け、0円でも良いから手放したい。

空き家差し上げますという贈与物件は増えていくと感じています。

 

無料の空き家を活用する方法はないのか?

こういった「空き家差し上げます」という物件は地方に多いです。

そのため移住やセカンドハウスなどを検討されている方にとっては魅力的だと思います。

また、立地によっては賃貸にするのも有効でしょう。

「DIY賃貸」や「民泊」「グループホーム」なども需要があるかもしれません。

またセーフティーネット住宅として賃貸するのであれば、登録住宅の改修に対する補助金制度もあります。

あきこ
空き家が増えるピンチを上手く利用してチャンスにしたいものですね。

空き家問題で私たちに出来ること!13の活用方法をお伝えします

 

おわりに

今回は「空き家差し上げます」という0円物件についてお伝えしてきました。

「不動産を0円で貰えるなんて上手い話があるはずない」と思われるかもしれませんが、実際は不動産を所有するだけでもお金が掛かります。

そのため使用しない不動産はマイナス資産となってしまいます。

そういったマイナス資産になってしまっている場合は、使いたい人に無料で譲ってしまった方がメリットになるというのが0円物件の仕組みです。

ただし、贈与で譲り受ける際は各種税金や登記費用など別途お金が必要になりますので注意して下さい。

今後は家を買う・借りる以外に「譲り受ける」というのも新しい選択肢もスタンダートになるかもしれません。

最後までご覧頂きありがとうございました!

 

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