空き家を探していると稀に「再建築不可」という記載を見かけます。
再建築不可とは、言葉の通り「再び建築することが出来ない」というものです。
またリフォームについては可能なので、建て替えをせずに上手くリフォームして活用するのも手ですね。
長所短所のある再建築不可ですが、ここでは再建築不可物件を購入して後悔しないために事前にチェックしたい注意点についてお伝えします。
目次
再建築不可物件の理由で多いものは?
一般的に再建築不可になっている理由として多いものは次の4つです。
- 接道義務を満たしていない
- 建築当時の法的要件は満たしていたが、現行法は満たせていない
- 市街化調整区域の制限をクリアー出来ない
- 17万ボルト以上の高圧線が上空にある
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よくある接道義務を満たしていない物件とは?
家を建てるためには「ある程度の広さの道路に接していないと建築出来ない」というルールが定められています。
具体的には、
- 幅員4m(特定行政庁が幅員6m以上を道路として扱う区域は6m以上)の建築基準法で定められた道路に接すること
- 間口が2m以上確保すること
例外はあるものの原則として上記が接道要件として定められており、人しか通れないような1m程度の通路では家を建てることは認められないのです。
どうして再建築不可の敷地に建物があるのか?
実際に空き家等を探していると接道義務を満たせていない物件を見かけることは多いと思います。
では、なぜその家を建てられたのかと疑問に感じるかもしれません。
それは現在の法律が定められるよりも前に家が建っていたり、隣地の売却などで当時は建築基準の要件を満たしていたのに現行法の要件を満たせなくなった等の理由があるからです。
こういった建築当時の要件は満たしていたけど現行法を満たしていない建物を「既存不適格建築物」と言います。
再建築不可物件の「購入」で後悔しないために!
再建築不可物件を購入する際は、後悔しないためにも次の点には注意しましょう。
- 購入金額は「建物価値」だけで考える!
- リフォームできる範囲を理解する!
- 再建築出来る可能性を調査する!
購入金額は「建物価値」だけで考える!
再建築不可の土地が更地になった場合、利用できる方法としては
- 駐車場
- 資材置き場
- 家庭菜園
など建物を必要としない用途に限定されます。
また駐車場や資材置き場であれば車の出入りもありますが、接道条件を満たしていないことが再建築不可の原因であれば駐車場などで利用することも難しいでしょう。
そうなると土地活用もできないわけですから、基本的に再建築不可物件の場合は「建物価値のみ」で考えないと購入後に高い買い物をしたと後悔しかねません。
リフォームできる範囲を理解する!
再建築不可の建築物でもリフォームは出来ます。
しかし、リフォームできる範囲は決まっているので購入前にしっかりと把握するようにしましょう。
結論からお伝えすると「建築確認申請が不要な範囲」であればリフォーム可能です。
よく再建築不可物件でも「柱と梁のみを残したスケルトンリフォームはセーフ何でしょう?」と言われますが、この場合は「大規模な修繕や模様替え」と見なされるので2024年現在ではセーフです。
しかし、2025年には建築基準法改正でスケルトンリフォームも確認申請が必要になるので注意が必要です。
再建築出来る可能性は無いのか調査する!
再建築不可の理由が接道義務違反(2mの接道を満たしていない)であれば、建て替え時に接道要件を満たす可能性が無いか調べましょう。
接道距離を2m以上にする方法は以下の3つです。
- 隣接地を買い取って接道距離を広げる
- 43条但し書き道路の申請をする
- 建て替え工事の時だけ土地を借りる
もしかしたら建て替え出来る可能性もあるかもしれませんので、不動産屋に任せっきりにせずに自分でもきちんと調べてみましょう。
再建築不可物件を「相続」して後悔しないために!
再建築不可物件は利用用途が限定されるので周辺物件と比べて評価も下がります。
土地としての担保が低いため融資も難しく、仮に物件を売却するとしても時間は掛かるでしょう。
活用方法が決まるまでは建物は取り壊さない!
再建築不可物件は、建物が古くても活用方法が決まるまでは絶対に取り壊さないようにしましょう。
再建築出来ない更地が残ってしまうだけではなく、固定資産税の軽減税率も解除され税金が約6倍になってしまいます。
仮に管理不全空き家になっても指導箇所を修繕した方が良いです。
先述しましたが、再建築不可物件は建物が無いと売却するのも非常に難しくなります。
再建築不可物件を売却するなら自分でも行動する!
一般的に不動産のことで困ったら近隣の不動産屋に相談することが多いと思いますが、再建築不可等の売却が難しい物件は「後回し」にされることが多いです。
不動産屋は仲介手数料を頂いて収益となるので、依頼のあった順では無く「手数料が高い・契約の早い案件」を優先します。(もちろん会社の体質によりますが)
そのうち売れると何もしない間も火災や地震等の倒壊リスクがあり、倒壊すれば「建物の価値がゼロ」になってしまいます。
おわりに
今回は「再建築不可物件」をテーマにお伝えして来ました。
安さがメリットの再建築不可物件ですが、注意すべきポイントは「2025年の建築基準法改正」だと考えています。
今まではスケルトンリフォームが可能でしたが、法改正以降はリフォームできる範囲が狭められることになります。
そう考えると再建築不可物件を売るのも買うのも「2024年が勝負」と考えた方が良さそうです。
東京では駅近くの再建築不可物件の不動産投資も人気ですが、何とも出来ない物件を買って後悔しないように気をつけて下さいね。