「不動産は土地に消費税は掛からないけど、建物には掛かるのでしょう?」
先日、こんな質問を受けましたが半分正解で半分間違っています。
空き家コネクトは個人でも無料で物件掲載できる不動産マッチングサービスですが、いざ契約となった際に「消費税ってどうなるの?」と迷わないように解説しておきましょう!
目次
不動産売買における消費税一覧表!
個人 | 事業者 | |
土地 | 非課税 | 非課税 |
新築戸建て | -- | 課税 |
中古戸建て | 非課税 | 課税 |
投資用戸建て | 課税 | 課税 |
新築マンション | -- | 課税 |
中古マンション | 非課税 | 課税 |
投資用マンション | 課税 | 課税 |
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建物の売買は売主が個人or事業者に注目!
消費税の課税取引とは、
- 日本国内における取引
- 事業者が事業(商売)として行う取引
- 対価を得て行われる取引
- 資産の譲渡、貸付及び役務の提供である取引
を満たす取引となるため、建物の売買でも個人が事業として行わない場合は非課税となります。
また、注意点として売主が個人だとしても、
- 事業の前々年の課税売り上げが1,000万円を超えていた場合
- 前年の1~6月の間の課税売り上げが1,000万円を超え、かつ給料支払額の合計が1,000万円を超えた場合
のどちらかに該当すると、消費税の納税義務が発生します。
建物賃貸における消費税一覧表!
居住用 | 事業用 | |
賃料 | 非課税 | 課税 |
敷金 | 非課税 | 非課税※1 |
礼金 | 非課税 | 課税 |
共益費 | 非課税 | 課税 |
更新料 | 非課税 | 課税 |
駐車場代 | 課税※2 | 課税 |
仲介手数料 | 課税 | 課税 |
※1 事業用の敷金(保証金)でも、返金されない償却分については課税となります。
※2 居住用の駐車場代は
- 入居者全員に1台分以上の駐車場が割り当てられている
- 家賃と駐車場代を一括徴収している
場合は、非課税となります。
建物の賃貸に関する消費税について
建物賃貸における賃料の消費税について課税(非課税)をまとめます。
- 居住用…非課税
- 事業用…課税
- 契約期間1ヶ月未満の短期契約…課税
- 住居兼事務所…面積で按分して、事務所に該当する家賃は課税
- 社宅…非課税
仮に空き家を賃貸にして借主が事業者だとしても、利用の目的が社宅やグループホームで「入居者が居住用として利用する」のであれば非課税となります。
居住用か事業用かは「契約書」で判断する!
最近は空き家を小さなオフィスや仕事場とする働き方も増えています。
いわゆるSOHO(Small Office Home Office)ですが、仕事で利用するにも関わらず契約書は「住居契約」になっています。
そのためsoho物件では次のことが出来ません。
- 看板の設置(個人名の併記によって可能な場合もあり)
- 不特定多数の出入りのある業種での利用
- 法人登記
土地は売買および賃貸ともに原則は非課税!?
土地の売買および賃貸は原則「非課税」です。
土地の賃借に関する地代や権利金についても消費税は掛かりません。
また、地上権、地役権、永小作権などの土地の使用収益に関する権利(例えば、敷地内に電柱があり電力会社から貰う使用料)も非課税となります。
ですが、例外として駐車場の場合は消費税が課税されるケースもあります。
駐車場の契約で諸費税が課税されるケース
原則として土地の賃貸は非課税ですが、次の駐車場の場合は課税となります。
- 駐車場として整備されている
- 契約期間が1ヶ月未満
- 車両を管理している
具体的に整備された駐車場とは「区分けされている」「アスファルト舗装されている」が該当します。
そのため「砂利が敷かれているだけ」や「更地をフェンスで囲っているだけ」の駐車場は非課税となります。
ただし、1ヶ月未満の短期貸しの場合は課税対象となるので注意が必要です。
インボイス制度について
インボイス制度とは「適格請求書保存方式」のことを指します。
個人が事業として不動産売買を行わないのであれば関係ありませんが、不動産を活用して収入を得ている地主や不動産投資家は注意が必要です。
ここでは不動産から収入がある際にインボイス制度の対応が必要なケースをまとめておきます。
貸主 | 借主 | インボイスの対応 | |
居住用の賃料収入のみ | 消費税は非課税 | -- | 対応の必要なし |
事業用の賃料収入あり | 免税事業者 | 免税事業者 | 対応の必要なし |
事業用の賃料収入あり | 免税事業者 | 課税事業者 | 対応を検討 |
事業用の賃料収入あり | 課税事業者 | -- | インボイス発行事業者の登録が必要 |
おわりに
今回は「不動産に関する消費税」をテーマにお伝えして来ました。
不動産の消費税は「土地が非課税で建物が課税」という基本的な部分のみ覚えてしまっている方が多いように感じます。
冒頭でお伝えしたとおり半分正解ですが、状況によっては間違いとなりますので注意が必要です。
不動産取引における消費税は複雑ですが、分からなくなったら記事中の一覧表を参考にしてくださいね。